今の塾業界は「少子化」の影響をまともに受け、減益、減収を余儀なくされています。
遠隔で授業を中継したり、DVDを見せるなど経費の削減に必死です。
また、売上を伸ばすために「取らないと落ちるよ」(殺し文句)と脅し、多くの講座を
取らせるやり方が当たり前となっています。
大切な我が子を
そのような環境に置きたくない
私も子を持つひとりの親として痛感しているところです。
私は大学卒業後、魚の染色体に関わる研究者として働いた後、塾業界に入りました。
25年間、附属中クラス、東大クラスの責任者を担当し、主にどうしたら静高に合格できるのかという観点で研究をしてきました。
幸いなことに、多くの生徒が静高に合格していき、保護者の方々から感謝され、私自身、お役に立てたことを嬉しく感じていました。
しかし、20年前と違い、現在ではファーストフードのフランチャイズのように全国どこでも同じ授業がされるように変わってしまいました。
対面授業でさえ、授業料を安くしたしわ寄せが社員の給料に影響し実力のあるものは辞めています。つまり、残っている「正社員」、「プロ」と呼ばれる教師たちの質は落ちてきているのです。
授業DVDの画面を見ていても、教師は子どもたちが、わかったかどうか知ることもなく、次の説明に入るでしょう。
多くの保護者の方から、「成績が思うように伸びない」という相談を受けるたび、
組織の中の自分の役割=みんなと同じことをやる に苦しんでいました。
「これはもう自分でやるしかない」
退社を決意しました。
はっきり申し上げて、静岡高校合格までの道のりはそんなに難しいことではありません。
問題はその先なのです。静高は県内トップといえど難関大への進学は難しいものとなっているのが現実です。
「首都圏の子供たちと戦える真の学力をつけた子を育て上げる」
これが私のゼミの目指すところです。
受験をひかえる子どもたちは思春期をむかえ、心と身体のバランスがうまく取れず、学習に集中できないことを自分が弱いからだと責めてしまうことがよくあります。
だからといって、親にはなかなか打ち明けられず悶々としている子どもたちが多くいます。
親の方はうるさがられるので黙って見守ることしかできず、そうこうするうちに受験当日を迎えて失敗してしまう、そんな子どもたちが実は多いのです。
子どもたちの「不安」は口で話をさせ、その都度解消していく。今何が自分を不安にさせているのか、その「正体」を突き止めて「解決策」を示してあげること。
例えば、数学の成績が上がらないのならば、
どの単元が苦手か突き止め、1週間その単元を集中して問題を解きまくる。
繰り返し解いているうちに、少しずつ分かってくる、そして「自信」が生まれる。
その積み重ねで、受験に対する、勉強に対する不安は消えていくものです。
やるべき「課題」を一人ひとりに提示し、やり遂げるまで励ます。
成し遂げた時には、褒めて褒めて褒めまくる。
この繰り返しで、子どもたちは見違えるほど変わっていきます。
受験期の苦しんでいる自分としっかり向き合い、自分の力でそれを乗り越え、勝ち取った「合格」は後の人生に大きな財産となります。
褒められ、励まされた経験が、自分にはできるという「自信」を生んでくれるのです。
子どもたちは、もっともっと褒めてあげるべきです。
褒めるために、「課題」を与え、それをやり遂げるように応援するのです。
子どもたちが、親以外の第三者から褒められ、認めてもらえる環境を作ることは、指導者としてもっとも重要な役割だとさえ思っています。
それが子どもの大きな自信となり、これからの人生で辛いことにぶち当たった時、自ら、「僕、私ならできる!」と切り抜けることができると確信しています。